八百義のえのき

台風一過で少し涼しく曇り空の京都市内です。
今日もいつも通り京都市内の水澤さんや今井さんの所に仕入れに行く時に店長の小林君が僕に「中田産業さんが倒産したで！！」と僕に一言告げました。

中田産業さんといえばお客様にも本当にえのきって作り方とかでこんなに味が違うんやね！！と感想をよく聞かせて貰える八百義自慢のえのき茸のメーカーです。

八百義を創業する前に小林君と二人で産地めぐりの旅に出掛けた時に一番最初に尋ねさせて頂いた生産者さんです。

とても大きな工場で僕と小林君も恐縮して緊張して工場へ入ったのを今でも覚えております。
しかも泉社長直々にたいした量も仕入れさせて頂くわけでは無いのにとても丁寧にえのきの育て方、どこにこだわっておられるのかを教えてくれました。

創業前に様々なえのきの生産者からサンプルを取り寄せて仕入コストは決して安価では無いですが抜群の食感と味に感動してお願いして取引を開始して頂きました。

正直かなり僕も小林君もショックです。

倒産の理由は、
○昨今の異常気象
です。

昨年の猛暑で中田産業さんのえのきの菌がかなり弱っており、今年も夏に入るまで暖かくならず、梅雨に入って異常に暑くなりこの異常気象に菌が耐え切れなくなりこのままでは納得いくえのきが育たず先代から続いている中田産業のこだわりえのきの味を落とすだけで味の質が落ちて評価が落ちる前に会社をたたまれたそうです。

昨今、満足していなかったり嘘をついてでも会社存続の為に事業を無理矢理継続して行ったりする中で自分の商品に納得がいかないから辞める。

本当に小LOTの僕たちにも丁寧に対応して頂き、梱包も絶対に面倒なのに僕たち様に小さな箱に梱包仕替えてくれたりで本当にお世話になりました。
最初にお会いした時も僕たちが味に惚れて工場を見に来ました！！と伝えると本当に嬉しそうな笑顔で迎えてくれました。

僕はメーカー（生産者）ではないので少し立ち位置が違うかも知れませんが泉社長に教えて頂いた様に自分の商品に絶対のプライドを持って精進したいと改めて考えさせられました。

中田産業の泉社長だけでなく八百義で取り扱っているお野菜は全てそんな生産者のプライドが詰まった野菜です。
ですので虫食いや見た目が悪いから返品！！と怒って電話をされる方も食べてみておいしかったよ！！と怒りから喜びに変わるお客様も多々おられます。

創業からのお付き合いで可愛がって頂きめちゃくちゃ寂しいです。


泉社長に大事な物を教えて貰いました。